【2022年1月リサイタルツアー】

私の今までの二つの大きなプロジェクト、ベートーヴェンピアノソナタ全曲演奏会とFour Elementsプロジェクトを顧みつつ、今自分が一番向き合いたい作品を取り上げます!

2022年

1月8日 (土) 青山音楽記念館 バロックザール(京都)

https://barocksaal.com/schedule/3866/

1月14日(金)グランシップ 中ホール・大地(静岡)

1月16日(日)三井住友海上しらかわホール(名古屋)

1月19日(水)神奈川県立音楽堂

https://kanagawa-geikyo.com/concert/concert-3599/

1月21日 (金) 東京オペラシティコンサートホール

【一般発売】2021年10/16(土)10:00

https://www.kajimotomusic.com/concerts/2022/yu-kosuge/

メッセージ:

今回のリサイタルで私は、これまでの2つの大きなプロジェクト、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲演奏会と「Four Elements」プロジェクトを顧みつつ、今自分が一番向き合いたい作品を取り上げます。

前半はフランス・パリを中心に活躍したフランクとドビュッシー、そして2人の影響を受けた武満徹、後半はベートーヴェンとシューベルトの転機にあたる、ウィーンで書かれた2つの傑作を演奏します。

フランクは主な作品をすべて晩年に残しましたが、この「プレリュード、コラールとフーガ」は、優れたオルガン奏者だったフランク独特の教会のオルガンの響きと深い感情が結合した大作です。同じく晩年の集大成ともいえるドビュッシーの前奏曲集から水、火や風の描写に五感が刺激される作品を選曲しました。そして武満の独自の神秘的な色彩感や音と音の間に魅了され、10代のころから演奏してきた「雨の樹 素描」を、彼の敬愛する作曲家たちの作品と共にお届けしたいと思います。

後半はソナタ形式をもとに自由な構想で描いた、27歳のベートーヴェンのソナタ「悲愴」、シンフォニーの研究を積み重ねていた時期の25歳のシューベルトの「さすらい人幻想曲」を。両作品からは人間の孤独感や内なる叫びがドラマチックに展開し、それぞれの異なった葛藤が現れる傑作です。

これらのソナタやシンフォニーは楽章に分かれつつも一つのストーリーにまとめられ、歌や舞曲などの様々な枠の中でそれぞれの役目を果たし、あらゆる心情を表しながら頂点に向かいます。それはまるで一つの人生のように綴られています。次のプロジェクトでは、この「ソナタ」というテーマの中で、古典派に限らずバロックから現代まで羽を伸ばし、その多彩で画期的な音楽の真髄を追っていきたいと思います。

小菅 優