大勢の人の愛情と苦労に支えられて 2017/12

ひとつの公演に向けてピアニストが「練習して舞台で演奏する」のはごく一部に過ぎず、その裏で1年以上にわたり、あらゆる人々が関わっています。

   たとえば先月のリサイタル。まず私に企画を提案されたマネジャーは希望のホールの方と話し合い、ツアーの場合はたくさんの主催者に売り込み、興味を持ってくださるように説明します。

   やっとのこと公演が決定しました。今度はチラシを作るために写真が必要です。今回はプログラムの内容を伝えるためにビジュアルも大事だったので、アートディレクターの方にコンセプトを伝え、それを元に写真撮影からチラシのデザインまで手掛けていただきました。

   そして公演について多くのお客さまに知っていただくためには宣伝しなくてはなりません。マネジメントや各主催者は各新聞社や雑誌に声をかけ、プロモーション用のビデオを制作したりもします。

   このようなことのためには費用が必要です。プロジェクトを信じて支援してくださった方々によって大がかりなことも可能になりました。

そして公演が近くなってくると、公演時に配るプログラムノートの準備に入ります。ジャーナリストの方はそのために公演のプログラムについて隅々まで調べ、コンセプトを深く理解され、1カ月以上インタビューなどのやりとりをしてくださいました。

   舞台衣装もデザイナーの方に新しく作っていただくことができました。コレクションを控え、忙しいのにもかかわらず一生懸命間に合うように至急作ってくださいました。そして、私はその間にプログラムの内容の研究のため、作曲家の足跡を追って旅をしたり、練習に没頭したりします。

   こんなにたくさんのことを多くの方々にしていただいているからこそ、公演が終わったときは感無量です。関わった一人一人の愛情と苦労がこの場に合わさったときこそ、音楽の力が発揮される瞬間が生まれるのだと思います。