初の「弾き振り」いつもと違う一体感 2016/2

新年早々、新しいチャレンジがありました。前からずっとやりたかった指揮です。ピアノ協奏曲の場合、普段は指揮者が指揮をしますが、ソリストがピアノを弾きながら指揮することもあります。前からこの「弾き振り」にとても興味がありました。

   ピアノのパート、オーケストラだけが弾くパート、そして一緒に弾くパートがあって音楽が成り立っていて、スコア(総譜)を全部読むことによって、やっと全体を理解することができます。

   スコアを読むことをいつもやってはいても、オーケストラにやりたいことを手で示すことは、私にとって新しい取り組みだったので、指揮者の友人にアドバイスをもらうために事前にウィーンに行ってきました。

   テンポの示し方、フレーズの表し方や休符の止め方など、いつも指揮台の隣で見てきたことの真相を知ることができ、面白いことばかりでした。ピアノを弾いてダイレクトに表すのではなく、手で示して弾き手を導くという異なった芸術に触れることができました。

   曲目は昔から弾いてきたモーツァルトのピアノ協奏曲第9番。大好きな曲で、モーツァルトの室内楽の延長のような音楽を、オーケストラの皆さまと一緒に演奏できるのはとても楽しみでした。

リハーサルになると、プロのオーケストラに対して自分の意見を言うこと、そして、リードしなくてはいけないことにかなり緊張しましたが、同時に、遠慮しないで自分の音楽を率直に共演者に伝えられることへの満足感がありました。

   そして、いよいよ本番。指揮者のように真正面からオーケストラと向かい合うと、いつもと違う一体感があり、直接対話しているようになります。生き生きと、お互いを聴き合って演奏してくださったオーケストラのおかげで本番は、より一層、楽しくなりました。

   この体験により、私の夢の一つであった弾き振りの第一歩が実現しました。