何を弾くか…楽しく苦しんでいます

生活の拠点のミュンヘンも春らしくなってきました。毎日良い天気で、湖にでも行きたいところです。でも結局、家ですることがたまっていて、昼間から外に出られません。

 長い間公演が続くと、それに集中することで精いっぱいで、他のことになかなか手がつかないのです。ヨーロッパでは、2017年ぐらいまでの公演のプログラムをそろそろ考えないといけないところ。もっと前に弾くプログラムさえ、まだ提出していないところもあって、チェックマークを付けたメールの山の前でパニックになります。

 というのも、プログラミングはかなり難問なのです。1つのリサイタルの公演プログラムを組むには、いろいろなことを考えなければなりません。

 まず、「ウィーン」「詩とドラマ」などのテーマを決め、弾く曲の背景が合うかを考えます。ウィーンだったら「モーツァルトやベートーベン、ブラームス、シェーンベルク」、詩とドラマだったら「シューマンとショパンの小説や詩に基づいている曲」など、つながりを見つけていく作業は面白いのです。

プロコフィエフを入れるから全部、ロシアプログラムにするわけではなく、調べると、実は母親が彼の幼少時にベートーベンとショパンをそばで弾いていたとか、彼はシェーンベルクをロシアで初めて弾いた人だったとか、いろいろな話が出てくるので、可能性がたくさんあります。

 そのうえ、自分がそのシーズンはどの作曲家に集中したいか、今までやっていないことにチャレンジしたいか、主催者や地域の方の望みなどのリクエストへの考慮が加わってくると、とてもすぐ決められません。

 もちろん、お客さまが聴きやすいのも重要なので、プログラムの最初にこの曲は合うか、終わった後の余韻が崩れないような終曲を選んだか、なども大事になってくるのです。

 ということで、まだプログラムを考えないといけないので、きょうのお話はここで終わらせていただきます。