今年はどんな出会いが…

前の年と別れを告げ、新しい年がやってくると、新しい目的をつくりたくなります。でも実際は、その目的は最初の1週間だけの目的になってしまうことってありませんか?

 以前、自分の目的を50年、60年先まで書いておき、それを順番に実現させているという人に出会いました。すごいと思いました。でも、人生は思いがけないイベントの一つ一つに意味があり、また、それが新しい目的へとつながって、良い変化が訪れるきっかけになるとも思います。

 小さいとき、特に好きだった作曲家はドビュッシーでした。印象派の曲を聴くと、匂いや絵が頭に次々と浮かんできて、想像するのが楽しくてしようがありませんでした。でも、9歳のとき、交流コンサートのためドイツを訪れ、ベートーベンの生家に行ったり、森を散歩したりすることで、その環境にほれ込みました。それ以来、ドイツ語のはっきりとした言葉、歌、そして、率直な感情表現と哲学が私の最も大きいインスピレーションの源となりました。

 小さいときのきっかけがなかったら、今、ドイツに住むこともなかったですし、このうえなくベートーベンを愛し、連続演奏会のプロジェクトをつくるまでになっていなかったかもしれません。

 一方で、偶然の出会いと、流れにまかせるわけにはいかず、自分で切り開いてきたこともたくさんあります。

 アイデアが浮かんだらすぐ人に話し、興味のあることは、とことん勉強し、情熱的な気持ちがあったらどこまでも飛んでいく…。つい、世の中に対して批判的になったり、殻にこもってしまったりすることがあっても、こういった積極的な行動力を今年も忘れないでいけるでしょうか。

 今年はどんな出会いがあるか、どんな曲がり角にぶつかるか、どんな変化があるのか。今、まだ想像のつかない冒険に向かって、真っすぐな気持ちで歩みたいと思います。