10代のときマスタークラスで一緒だった知り合いがミュンヘンで子供のためのピアノフェスティバルを開催しました。そこでゲストで弾いてくれないかということで、コンサートをしました。
 演奏の前に「練習」というテーマで行われた公開ディスカッションにも参加しました。自分の練習について実はあまり考えたことなく、私にとって歯磨きのように日常的なことなので、意識的に語るのは難しいことでした。特に成長期の10代の頃は、まだテクニックも発達中なので練習方法は大事。そんな大事な時期真っ最中の青少年も地元の先生方と一緒にディスカッションに参加しました。率直に意見を言い、練習について話すドイツの子供たちからは、たくさんの面白い意見が出てきました。
 まず、テクニック的な練習は音楽的な思想から切り離すべきかというテーマ。「私はテクニックだけの練習として考えると思うわ」、「え~?!練習曲だっていい音楽だよ」など意見が飛び交います。私は、練習曲を勉強するときは、細かい練習方法をした後、音楽的なことを考えてゆっくり通してみるのも大事なのではと言いました。
 また、練習時間について。「僕は朝学校の前に必ず2時間練習する」とか、「僕は毎週水曜日はピアノの練習休日と決めていて練習しない」などの発言から様々な日常生活を想像できます。
 最終的に練習は長さが大事なのではなく、どんな方法で、意識的に響きや音色、タッチなどを考えて賢く練習することが大事だということで解決しました。 最後に13歳くらいの青年が「ピアノの練習は僕が自分の意思でやるのはいいけど、親に押し付けられるのはよくないと思う。最終的に両親は僕たちにちゃんと子供時代を与えることが大事なんだよ。」という内容の長い演説でディスカッションは締めくくられました。
 やんちゃだった聴衆の子供たちも、そのあとのコンサートでは集中して聴いてくれました。きちんとした考えを持った子供たちが現代にもいて安心しましたが、これからのピアノ界の未来を育てるという責任感を感じました。このまま素直に、表現豊かに育って、何よりも音楽に対する愛を忘れないでほしいです。