小菅優、藤倉大、杉田元一
対談 (1)

2020年3月11日。ジュネーヴにある由緒正しい音楽ホール、Victoria Hallで、ロンドン在住の作曲家、藤倉大の「ピアノ協奏曲第3番<インパルス>」がジョナサン・ノット指揮するスイス・ロマンド管弦楽団と、ベルリン在住のピアニスト・小菅優によって演奏されました。この曲はこれまで日本(山田和樹指揮読売日本交響楽団)とモンテカルロ(山田和樹指揮モンテカルロ・フィル)で演奏されましたが、今回とうとうスイスでの初演を迎えたことになります。残念なことにおりしも世界はコロナウィルス禍の真っ最中。公演は結局観客を入れずに行われることになりました。当日はラジオの生放送が入り、後日映像でも配信されましたが、演奏は非常に充実したものとなり、放送を聴いた多くの人々から大きな称賛をうける結果となりました。
この特別な公演には、かつて小菅優の「ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全集」のセッション録音を手掛け、藤倉大の作品集もすでに6枚手掛けているプロデューサー、杉田元一も同席。それぞれホームタウンではないスイスという都市に集った3人は、無観客公演という得難い体験を含め、短い期間に非常に多くのことを経験しました。
世界的な非常事態のもと、音楽は何をできるか、公演ができないという異常な状況で、音楽ファンはどうすればいいのか……さまざまな思いを持って、ジュネーヴに集った3人がそれぞれの日常に戻った公演の数日後に、「音楽」について、「ライヴ」について、「録音」について、冗談も交えながら3時間にわたるトークセッションを繰り広げました。これはその記録です。ふたりの残した「録音」をプレイリストで聴きながら、どうぞお楽しみください。



杉田元一(SONY MUSICディレクター):こんにちはー

小菅優(ピアニスト):こんにちは! 杉田さん元気ですか? ドイツは一気にかなり深刻になってきたようです。

杉田:ドイツを含むヨーロッパ全体が大変ですね。と言うか、もう世界中が鎖国状態になりつつあると言う感じで……

小菅:そうですね。ただドイツはもうゴーストタウンになってるところも多いのに、日本は全然普通な感じで外出とかしてるなあと、帰国して感じました。
だけどもし外出禁止令が出たりしたら、杉田さんなんかレコーディングもできないんじゃないかと心配ですが、そんなことないですか?

杉田:日本はまだ呑気なもんだよね。なるべく外出避けろとは言われてるけど。

小菅:トイレットペーパーも不足しているけど、なんとか手に入ってます。

杉田:ペーパー類はまあ大丈夫だね。マスクはまだ大変。アルコール消毒液もないなあ。

小菅:でも傷口用のはありましたね。ドイツは今それもない。

杉田:これから先どうなるかわからないという恐怖心があるからだろうね。

小菅:しかし(藤倉)大さん遅いですね。寝ているのかなあ(笑)。ちなみに私も起きたばかりですが。

杉田:え? 今日本だよね?

小菅:時差ボケ……家にいると治らなくて。

杉田:まるっきりヨーロッパ時間だね(笑)

小菅:私の「ベートーヴェン詣」(小菅優がベートーヴェンの全ピアノ付作品を演奏するプロジェクト)のサイト(http://www.beethoven-mo-de.com/ja/)を昨日からちょこちょこアップデートしてます。今年はホルン・ソナタ、ピアノ協奏曲第0番、変奏曲などを取り上げますよ。

杉田:いいね!

小菅:ソロの次のシリーズはベートーヴェンとドイツ・ロマン派あたりを取り上げようかなと思っています。大さんの新しい作品も入れたいですね。

杉田:「ベートーヴェン詣」には、通し番号はないの? 公演の。

小菅:基本、「ベートーヴェン詣」としての公演以外でベートーヴェンを弾くときも詣の一環と考えているので、通し番号はないんです。
サイトを見ていただくとわかるんですけど、足跡マップがあって、演奏が終わるごとにひとつずつ白くなっていって、全部白になったら終わりなんですが、たぶんまだまだかかりそう……終わるのは10年ぐらい先ですね。歌曲がすごく多いんですよ。
というか、おーい、大さ~ん……寝てるのかなあ。

杉田:珍しいね。いつも時間に正確なのに。

小菅:珍しく静かだな(笑)
今自分のディスコグラフィのページを見てるんですけど、(https://www.sonymusic.co.jp/artist/YuKosuge/discography/)日本ってまだCD高いですねー。2400円かあ(笑)。

杉田:やっぱりそう言う感覚ですか(涙)。

小菅:でもまだ買ってくれる人がいるからいいですよ、日本は。

杉田:そうか、もうヨーロッパではフィジカルCD売れないもんね……。

小菅:会場でさえあまり……。ダウンロードしている人が増えてますからね。

杉田:会場でのサインがあってもダメか……。日本はクラシックのダウンロードはまだまだだけどね。ダウンロードよりストリーミングのほうが多いよね?

小菅:若い人はストリーミングでしょうね。

杉田:そうだよね。優ちゃんもストリーミングやってる?

小菅:いや、私はほとんどしないです。

杉田:僕もほとんどしないけど、でも世間の人がダウンロードよりストリーミングに流れるのはもはや止めようがない。

小菅:私はストリーミングよりLPに戻りたいです。

杉田:うーむ(悩)。

小菅:あ、来た来た。

藤倉大(作曲家):あ! ごめんなさい……1時間勘違いしてました! 昨日からイギリスは学校閉鎖でいろいろと家の中がひっくりかえっております。すみません! なになに、今から一気に読みますね。

小菅:たいした話してないですよ。はじめましょう。

杉田:それにしても我々は大変な経験をしましたね。ジュネーヴでは……。

小菅:お騒がせしました。いろいろと本当にありがとうございます。

藤倉:あれは面白い体験でしたね、ジュネーヴ。

杉田:そうそうあるもんじゃない、得難い体験ですよね。

藤倉:録音マニアとしては、すごくよかったんですけどね、無観客公演。僕の嫌いなノイズ出す人がいないというのは理想的とも言えるし、こんなすごい状況はそうそうないぞ!と(不謹慎ながら)わくわくしてたんですよ。それなのに……

杉田:あのカメラマンね。

藤倉:撮影しながら手をポケットに無造作に突っ込んだりする音とかがすごい気になって。咳払いもね……えええ? おまえがすんのかい! みたいな……でもR.シュトラウスの時だったので、Who caresでしたけど(笑)。

杉田:藤倉さん、チラチラ見てましたもんね カメラマンのほうを。

藤倉:そう、この日がロマンド管弦楽団によるスイス初演となったピアノ協奏曲第3番「インパルス」のときは、おめーわかってるやろうなっていう目線は送ってました(笑)。

杉田:実際気になりましたよね。まわりが静かなだけに。

藤倉:そうそう、「インパルス」のときだけ息止めてくれてれば、他の曲は大声で話そうが勝手にしてもらっていいのでって思ってました(笑)。ゲネプロでも1曲目のシュトラウスのときからカメラを三脚から離す時の音とかすごく気になって……シュトラウスでカメラポジション決めてもらい、「インパルス」では動くなよ……と祈るような気持でしたが、本番では静かだったのでほっとしました。将来何があるかわかりませんからね、ゲネプロもクリーンなほうがいいんですよ、編集することを考えると……って僕が編集するわけじゃないんですけど、その「何かあったとき」助かるな、と(意味深な笑い)。

杉田:あの場は状況も状況でしたから会場全体がすごい緊張感に支配されてて、ちょっとしたノイズでもすごく気になりましたよね。

藤倉:そうなんですよ。無観客で咳とか、なんでやねん!じゃないですか(笑)。せっかく録音マニアとしては「夢の」無観客コンサートなのに。

小菅:私は演奏でそれどころじゃなかったので、何も気になりませんでした……。

藤倉:だって由緒正しいヴィクトリア・ホールで録音なんですよ! それこそ90年代にいたJ-POPアーティストさんみたいに「空気が違うんだよね、スイスは」って言わないと。「どうしてスイスで録音されたんですかぁ?」って聞かれたら……。

杉田:空気が綺麗だから音がいいんだよって言いますね(笑)。

小菅:今は世界中どこも大気中にコロナ。。

藤倉:ジュネーヴですからね。WHOの近くで新鮮コロナ。コロナウィルスの研究発表とか、めっちゃ興味深く、まだ外にでてない論文とか、その世界の人に秘密で送ってもらったりして読んでますよ。

杉田:なんでそんな人知ってるんですか。わけのわからない繋がりたくさんあるよなあ、藤倉さん(笑)。

小菅:微生物の次はコロナ研究ですか? (注:藤倉大には微生物や腸内細菌についての雑誌の記事からインスピレーションを受けて作った曲がいくつかある)

藤倉:いやいや、微生物はもういいです。ウィルスを生物と呼ぶか、は大きな疑問だと思うけど。

小菅:ピアノ協奏曲第5番「新型コロナ」……

藤倉:5番! ピアノ協奏曲、いくつまで書かせるんだっていう(笑)。最初のピアノ協奏曲「アンペール」を書いた時はめちゃくちゃ大変でね。だから最初で最後のピアノ協奏曲なんて言ってたんですけど。それまで、ピアノとオーケストラは一緒に弾かれるべきじゃない!って思ってたくらいですから。

杉田:それが今やもう4曲も……。

藤倉:小菅先生のおかげで。

小菅:(笑)

藤倉:あえてこう言うのもなんなのですが、「インパルス」がいちばん気持ちいい協奏曲ですね、僕的には。

小菅:全部弾く人を想定して書いたって言ってましたよね、ピアノ協奏曲。この「インパルス」は私を想定して書いてる……じゃあなんでこんなにエロティックな曲になったんでしょう(笑)。これはやっぱり作曲者がエロティックだからですよね。

藤倉:ははははは、やっぱエロティックて思う? でも、ドライな音楽弾くよりいいでしょう。現代音楽ってドライなのが多いからさ(笑)。女性の友人からはエロティックだって言われることが多いですね、僕の作品は。

杉田:今ふたつめのピアノ協奏曲「ダイヤモンド・ダスト」を聴いてるんですけど。

藤倉:ソリストがこれを弾くとみんな練習中妊娠するという協奏曲です(笑)。

小菅:それよりも「インパルス」ですけど、まだまだ再演したいです。室内楽ヴァージョンも作ってください。

藤倉:室内楽版ね、賛成です。

小菅:弾きぶりでも演奏してみたいですね。オーケストラともっと親密な対話ができるような……。

藤倉:先日、指揮者の山田和樹くんから電話かかって来て話したんですけどね、1時間半ほど(笑)。和樹君はご存知のようにこの「インパルス」を優さんと3回も演奏しているわけですが……優さんのルバートは確信のあるルバートだし、オーケストラと呼吸してくれるから素晴らしいと言ってました。あともうひとつ言ってたのは、「本番に奇跡を起こすことができるソリスト」だと。素晴らしいことです。
コロナウィルスのおかげで演奏会のキャンセルが相次ぎ、優さんも含めて忙しい有名演奏家たちが暇になったじゃないですか、今。なので、逆に僕は忙しいんです。なんでかって言うといろんな人から電話とかメッセージが来るから。うれしいんですよ。いつもならこっちから連絡しても「今移動中ですー」とか返してくるくせにね(笑)。

小菅:私いつもメッセージしてるじゃないですか(笑)。

藤倉:他の人はいつも途切れ途切れですよ。スカイプミーティングとかも「時間は……そうですね、今日、明日、来週、今?」

小菅:うるさいのは私だけだったのか(笑)。

藤倉:ずーっと暇なんかい!っていうね。優さんはソリストにしては珍しいですよ、ソリストとか指揮者って目の前の公演しか考えられないでしょ、普通。だから先の話を振っても返事ないことが多いし。

小菅:大さんの話はおもしろいから返事せざるを得ないというか。

藤倉:ドラクエの話が多いよね(笑)。もちろん今晩弾くのに来週の公演のこと考えて演奏するわけにいかないじゃない。

小菅:たしかに次の次の公演まで見越して練習するのは難しいですね。

藤倉:それってどうこなしてるの?

小菅:いっぺんに長い間たくさんの曲に取り組むより、この期間はこの1曲とすることのほうが多いですね。

藤倉:やっぱり録音セッション用の練習と公演用の練習は違う?

小菅:いや、一緒。私はだいたい演奏会で必ず1回は弾いてからレコーディングする。ベートーヴェンのソナタのときもだいたいそうだった。

杉田:演奏会で取り上げてから少し時間を置いて録音してましたね。

藤倉:杉田さん、優さんって録音セッションではどんな感じですか?

杉田:優ちゃんは録音でも演奏会でも僕が見ている限り、変わらないですね。

小菅:そうですか?

杉田:音楽の捉え方はもちろん違うんですけどね。ライヴは1回っきりですけど、録音は何度も録り直しますから。

藤倉:セッション中、プロデュースするほうは言ってみればチアリーダー的なところもあるじゃないですか。

杉田:ははは、チアリーダーね(笑)

小菅:杉田さんは私の栄養士もやってます、録音期間中(笑)。

杉田:セッション中の食べものは全部僕が選んでるからね。

小菅:美味しいもの食べないといい演奏できないんですよ。

藤倉:セッションの進め方なんかは杉田さん視点ではどんな感じなのでしょう。

杉田:優ちゃんの場合、さっき言ったように演奏会で取り上げてからの録音と言うこともあると思うんですけど最初のテイクからある程度練れているというか、全体像がある程度見えるんですよ。ああ、こういう感じで行くんだなという方向性みたいなものを最初から掴みやすいというか……。

小菅:でも、ベートーヴェンは数日でCD2枚分録らないといけないので、結構ぎりぎりでしたよね。ソナタによっては深夜までかかったし。

杉田:そう、さすがに時間はかかったね。途中で突っかかってると先に進めない時もあって。

小菅:何回も弾いて、杉田さんと何度もやりとりして、で、最後に通したテイクがよかったとか、結構ありましたね。

藤倉:まずは全部通して弾いてもらいます?

杉田:はい、最初は通して弾いてもらいます。そうしないと全体のタイム感がわかりにくいので。たくさんテイクを録ったけど、結局ファーストテイクがいいということはけっこうありましたね。でも、「ハンマークラヴィーア」みたいな巨大な建築物みたいな曲は通しただけでは厳しかったね。

藤倉:なるほど、演奏者って通して弾きたがる人って多いですよね。

小菅:私の中では、録り直しテイクはだいたい3回までかな。それ以上はだいたい無駄になる。だけど24回弾いて、24回目がよかったりすることもあるので……。やっぱり通して弾くのは重要なんですよ。このフレーズをこう弾くと、次のフレーズの弾き方がこうなって……というふうに、流れが変わってくるんです。テンポの選び方もそうですけど、緊張感があるテイク、自由自在でゆったりめなテイクとかいろいろあります。それぞれいい点も悪い点もあるんですけど、それを変に混ぜると音楽の流れが変わってしまうこともある。

杉田:だから、このテイクがいい、と優ちゃんに言われても、繋いでみると違和感があるんで、他に変えたりとかもありました。

小菅:全部でひとつのストーリーですからね。たとえばドラクエだって、幼少時代がなかったらビアンカ選んでないでしょ、みたいな話。

藤倉:で、もちろんその後からテンポとか音色を変えないっていう杉田さんも偉い!(爆笑)さすが豪華な録音セッションなんだなあって羨ましく聞いてます、この話。優さんは気づいてないと思うけど、こんな豪華なシチュエーションで録音できるなんてすごいことですよ。

小菅:はい、本当に幸せな思いをさせていただいております。

藤倉:僕の録音に関わってるアーティストはみんな「通しのテイクが元で、ちょこちょこ編集されてる」って信じてますからね(笑)。みんな通しで弾きたがるから。

杉田:僕もちょっとは変えてるんですけどね、わからないと思うけど(笑)。

小菅:だけどばれたこともいっぱいありましたよね。あとで。

杉田:逆に僕はカットしてないのに優ちゃんが「ここカットしたでしょ!」とかもあったよね(笑)。

藤倉:そういうのよくあります。どう伝えようかなって気を使いますよ。ここから急に速いのは編集だからでしょ!って……いや、ここ「だけ」は繋いでないのに……どうしようかな、ここで怒らせるとリリースさせないとかになると困るな……など考えながら返信してます。

小菅:へえ! そんなに気を使わせてるんだ、演奏家って(笑)。

杉田:「いや、あなたがこう演奏しているんですけど」って言っちゃうと怒るかもしれないってことですね。

藤倉:そうなんですよ。僕はご存知のようにゲリラ的な録音で、頼み込んで出させていただいているので、機嫌取りつつっていう感じです。

小菅:実際、何回もテイクを録りますけど、その違いって微妙なんですよね。だからこれもこっちもありって、最終的にプロデューサーに騙されても、時間が経ってから聴いたときにそれがよく聞こえればいいわけで(笑)。

藤倉:そう、その時間が経った後っていうのも重要で、本人がうまくいった!と思った録音セッションなら、さっと聞かせて余韻が残ってるところで「もうまかせるからー!」みたいに言わせて、出しても良いです許可をその勢いでもらう。そうでない場合はわざと数ヶ月置いて編集作業して、そこで聞かせるという場合もあります。みんな気分次第なときもありますから。

小菅:メモ。大さんにまかせるとは言わない。

藤倉:別件でうまくいってる場合(いい仕事が来た、新しい彼女ができた、などなど)、OK!って来ることも多いからね。僕は任せるってそこまですっぱり言われることはあまりないんですけど……ま、でもだいたい僕は早めに聞くんです。ドラフト編集で聞いてもらって、そこでリクエストもらって全部直す。僕のマネージャーからもよく聞くんですが、演奏家って「自分のリクエストを無視されずに、聞いてもらった」っていうことを感じるのが大切だと。なるほどと思って。こっちが編集に20時間かけて「これで完璧だ!」っていうものに文句言われるといやなので、そこで早めに聞いてもらうんですよ。

小菅:大さん、あの、私、演奏家なんですけど……。

藤倉:もちろん、だからすべてのリクエストを聞いてるじゃないですか(笑)。そういう意味でもコラボレーションなんですよ。

小菅:さすが、うまくまとめましたね(笑)。まあでもよくわかりました。演奏家がどれだけあやつられてるか(笑)。

藤倉:(爆笑)そのへんはやはりねえ、ロボットとのコラボじゃないですから。演奏者が必ずしも正しいとは限らないし、作曲家が正しいとも限りませんからね。そこがおもしろいんです、録音は。

杉田:作曲家と演奏家、それがまずはベースです。じゃあそこで僕のようなプロデューサーが何をするかといえは……。

藤倉:そう、そこが聞きたかった。

杉田:最終的なプロダクツになったとき、全体から聞こえてくるものの整合性というか……整合性というとメカニカルな感じもするけど、テイクごとに違う演奏の個性を組み合わせた時に全体からちゃんと「演奏家のベートーヴェン」が見えてくるかどうかとか、そういう感じを響き方も含めてデザインしていくという感じですね。

藤倉:なるほど……今ヘッドフォンで優ちゃんのベートーヴェン聞きながらこれ書いてます。真剣な話なのですが、鼻息とかはどのくらい残します?(いいぐあいに残ってるなって思って聞いてます)


 

次回「真剣な話なのですが、鼻息とかはどのくらい残します?」

<本文中でも触れられている藤倉大と小菅優の作品を聴けるプレイリストはこちらから!>
・藤倉大

・小菅優